香典は、故人に供する香に代わる金銭という意味です。不祝儀袋に金銭を入れて渡しますが、不祝儀袋は表袋と水引で作られます。そして、より丁寧な気持ちを送るために、中袋もあり、この3つで不祝儀袋となります。袋の表書きは御霊前と書くのが一般的なようですが、宗教や宗派によって異なる場合があります。
現在の葬儀は、日常生活で宗教とはあまり縁がない暮らしでもほとんどが仏式で行われています。しかし、他の宗教の場合に御霊前を使わないことも多くあります。キリスト教であればお花料とします。最近はお葬式の形も多様化しているので、宗教色をなくして自由葬という形を選ぶ人も少なくはありません。
そんな場合にもお花料と書くのがいちばん多いようです。また、表袋の裏か中袋の裏に金額と住所を記入することを忘れないようにすることも必要です。これも遺族に余計な気遣いをさせることがないようにするための配慮です。
かつては、会葬者が葬儀で香を手向けるという慣例があったため、お香料を「御香典」という形でお供えしていました。現在では、葬儀で多額の費用を負担する遺族に対しての、相互扶助的な意味合いを持つようになっています。
神道の場合には「御玉串料」や「御榊料」、キリスト教では「御花料」と呼ばれています。香典袋の表書きですが、ほとんどの仏式では、四十九日までは「御霊前」、四十九日後は「御仏前」としますが、宗教・宗派によって異なります。
御香典の金額は、故人や遺族と密接な関係にある場合ほど高額となり、年齢や役職によっても変わってきます。一般的に、家族であれば3〜10万円、親族では1〜3万円、会社等の関係者や友人・知人は3千〜1万円、近隣の方なら3〜5千円を一応の目安としています。
また、会社関係者や同僚であれば2〜3人連名で包んだり、部署などの有志でまとめるという方法もあります。後日、遺族の方が整理しやすいように、住所・氏名と金額を分かりやすく記入しておきましょう。